食品衛生管理HACCP対応に向け、IoTクラウド全国展開へ

東京五輪・パラリンピック開催決定をきっかけに、改めて食品の衛生管理手法が問われている。選手村や訪日観戦客たちに提供される食品は、国際規格「HACCP(ハサップ)」に準拠して製造、調理加工されて管理されるのかと――。

'20年6月までに施行の改正食品衛生法では、原則として全ての食品等事業者(小売業・外食などを含む)に、それに沿った衛生管理を求めている。HACCP(危害分析重要管理点 )は、国連食糧農業機関×世界保健機関の食品規格委員会から各国に採用が推奨されていて、厚労省Webサイトでも詳説されている。

食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷~製品の出荷に至る全工程の中で、それら危害要因の除去もしくは低減をゴールに重要な工程を管理し、食の安全性を確保しようする手法。HACCPに基づく食品衛生管理への対応強化、および店舗ごとの業務省力化による顧客サービスの向上のために、イオンリテールサトーは、IoTとクラウドの特長を活かしたシステムを構築した。

HACCP対応の要となる各データを効率的に自動記録しクラウド上で一元管理する。これにより、国内店舗すべての情報を管理者が同じ条件で、適宜かつ適時確認できる。同システムは、商品の適切管理で重要な記録となる冷凍・冷蔵機器の温度管理において各メーカーと連携する。ゆえに機器の違いに関わらず、すべてを同じ画面で自社の商品管理ルール情報も取り込みながら、きめ細やかな管理ができるという。

「SMTS2019」サトー社ブースで披露されるHACCPクラウドの導入により、各店約50%の省力化が見込まれる。上記改正法の施行までに本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」約400店舗への展開をめざす。イオンは、今回のシステムの拡張性を活かし、現場の状況・活動の可視化による働き方の改善や、従業員満足度の向上も実現していく考えだ。