あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を迎えた今、家電や産業機器は、それ自体のマイコンによるスマート化はもちろんのこと、ネットワーク接続を前提とした機能強化や、ユーザーインターフェースの充実、新機能の搭載が求められている。
多機能化および機能向上を図るうえではしかし、機器内部のスペース有効活用が大きな課題だという。ルネサスは、家電、産業機器、OA機器などのモータ制御用32ビットマイコンRX24TグループならびにRX24Uグループに、動作周囲温度がー40℃~105℃の、高温環境下での使用ニーズに対応した「RX24T Gバージョン」、「RX24U Gバージョン」をラインアップし、1月31日より量産出荷を開始した。
産業機器やOA機器をはじめ、熱風や熱湯を扱う家電においても、高温になる箇所に回路基板を配置するニーズが増している。たとえば食器洗い機やIHクッキングヒータなどは、庫内やヒーター面の拡大とともに全体でのコンパクトな設計が求められていて、回路基板の設置スペースは制約される一方である。
そのうえ、スペースの制約により基板自体の面積も縮小される傾向にあり、結果として基板の放熱性が低下し、基板そのものが高温になる場合もある。このような課題に応えるため、高温スペースや高温基板上でも動作可能なマイコンを追加――。これによりユーザーは、高温環境下でも動作する柔軟な機器設計が可能になり、さらなる小型化を進められるという。
同社は開発環境として、モータ制御アプリ開発が短期間で行えるよう「24Vモータ制御評価キット」を提供していて、ユーザーはこれに「RX24T」、「RX24U」用のCPUカードを装着してソフトウェアを開発できる。新製品のラインアップはRX24Tが64~100ピン、メモリ128~512KBの計11品種。RX24Uは100~144ピン、256~512KBの計6品種だ。