場外市場にて訪日客をもてなす、ICT活用実験はじまる

「2025年までに訪日客4,000万人をめざす」。政府目標に近づきつつあるいま、外国人観光客数が伸びている一方で、観光地における消費額の伸びには鈍化が見受けられる。

そのため、おもてなしを通じた消費需要取り込みの重要度が以前にも増して高くなっていて、観光地をはじめとする飲食店においては、訪日外国人の満足度向上に向けたきめ細やかな情報提供や円滑なコミュニケーション等が喫緊の課題になっているという。札幌市場外市場組合、NTT東日本、NTT Com、NTTは、飲食店におけるICT(情報通信技術)を活用した消費拡大と業務効率化に向けた共同実証実験を行う。

札幌場外市場(うめぇ堂、おもひで食堂、北のグルメ亭、共栄市場食堂、ヤン衆料理 北の漁場、大漁寿し 若駒、ラーメンひぐま)にて2月1日~3月29日、ツールを活用したおもてなし、接客業務の効率化と取得データの利活用――即ち「来店前から閲覧可能なスマホ向け多言語メニューの提供」、「店のオーダリング、POSシステムの注文、会計業務への活用」、「キャッシュレス決済による支払手段の拡充」を実証する。

「さっぽろ観光あいのりタクシー」とも連携する、4者の実証実験は、利用客の母国語で旬のおすすめメニューも紹介、QR決済など多彩な支払手段の提供により消費需要を取り込むとともに、店舗での注文取りや会計等の手間を軽減することにより、接客業務の効率化をめざす。国やキャッシュレス推進協議会が推進する決済手段の普及を後押しするという。

場外市場組合では、国籍毎の売れ筋分析に基づく効果的なプロモーションにより、さらなる消費需要の取り込みをめざすとともに、スマホ注文・決済によるテイクアウト等の新たなおもてなしの提供を検討していく。また、NTTグループでは、地域のさらなる活性化に貢献するため、この取り組みを地域全体へ、そして他エリアへの展開もめざしていく構えだ。