照会する行政と金融機関をつなぐ、全国統一型電子サービス登場

わが国の行政機関では、税公金負担や生活保護給付の公正性確保のため、幅広い金融機関に対して預貯金状況の調査を実施している。その際用いられる調査依頼書は、行政機関ごとに異なる様式であり、書面で郵送されるケースが大半である。

ゆえに、さまざまな行政機関から照会依頼を受ける金融機関では、大量かつ多様な依頼書を処理する必要があり、大きな人的負担が発生している。一方、行政機関でも郵送コストが負担となっているほか、タイムリーに回答結果が得られないなど、迅速かつ適正な行政事務遂行への改善余地が大きい状況だという。NTTデータは、2月1日、預貯金等照会業務の電子化サービス「PipitLINQ™」を発表した。

一昨年より関係省庁、地方自治体、銀行、生命保険会社が参加する勉強会にて、預貯金等照会業務の電子化に向けた具体的な検討を進めてきた。昨年8月からは試行システムと書面を併用した実務検証において、電子化の具体的な効果や運用性を調査してきた。結果、同サービスの販売を本日開始し、7月からサービスの本格展開を始める予定だという。

PipitLINQは、行政機関と金融機関をつなぐ全国統一型のサービスであり、国内バンキングサービスを35年以上支えてきたANSER®などを活用し、信頼性の高いOpenCanvas®上に構築するので「セキュアかつ低コスト」。そして、「統一フォーマットによる全体効率化」、WinActorなどRPAとの併用や、基幹システムとの連携といった「多様なソリューションとの組み合わせによるさらなる効率化」を実現する。

行政機関と金融機関の双方がPipitLINQに加入することで、加入機関間で電子データによる預貯金等照会が可能になるという。同社はこの新サービスによって上述の各種課題を解決し、政府CIOポータルにもある「デジタル・ガバメント実行計画」における個別サービス改革の実現に貢献していく構えだ。