情報通信
ワインと漆器の町から世界初、CATVネットワーク仮想化はじまる!
地方創生や地域活性化がこれからの日本の姿を決める。いま、産業界などではIT(情報技術)を駆使したデジタル変革が盛んに行われていて、地域活性化においても、特産品等の世界に向けた情報発信に加えて、最先端テクノロジーおよびITの活用が問われている。
日本のほぼ中央に位置し、いにしえから交通の要衝として発展。特産のぶどうが生み出すワインは世界にその名を知られ、奈良井宿の町並みや木曽漆器が歴史と伝統を感じさせる、長野県塩尻市において、同市とNICT総合テストベッド研究開発推進センター、NECネッツエスアイ、テレビ松本ケーブルビジョン、中央コリドー情報通信研究所は、CATV基盤高度化のためのネットワーク仮想化実証実験を開始している。
総務省の「ケーブルビジョン2020+」では、CATVにより、災害・地域情報の充実や、放送サービスでのレコメンド機能提供、地域の社会的課題の解決、スマートシティ事業への参入などが期待されている。一方で、国内CATV社数は500超、各地域の小規模事業者は、大幅な設備増と管理コストの上昇を回避しながらのサービス高度化が求められている。
そこでソフトウェア定義型のネットワーク仮想化(SDN)技術に注目。個々に基盤を構築せずとも複数の異なるサービスを提供でき、各要求リソースを共通のネットワーク基盤内で確保しつつ、それぞれのサービスを仮想的に独立して提供する技術によって、基盤コストの軽減、運用管理の統合、サービスの多様化への柔軟な対応を実現する。技術の実用化に向けて――。
5者は今回、NICTのSDN技術を応用したネットワークスライシング/エッジコンピューティング基盤をもつパケット中継装置を、CATV基盤の実環境に設置し、サービスの見える化、ネットワーク品質制御、地域情報サービスの提供について、それぞれ仮想ネットワーク環境を構築し、統合的な制御により動作を検証する。