介護・保育施設や小児科病院に、話せるロボットがやってくる

「うちのオバハン、起きてるときは四六時中しゃべってな死んでまうねん」と、大...


「うちのオバハン、起きてるときは四六時中しゃべってな死んでまうねん」と、大阪は通天閣界隈の立ち飲み屋でまことしやかに話されている。くだんのフレーズは陳腐だが、およそ核心をついている。酒の肴にする側もされる側においても、コミュニケーションの重要性は、「永遠に不滅」である。


幼児は独り言を発しているようでも、ぬいぐるみやイメージの中の友だちと会話している。年老いた父や母が面と向かって話をしなくなると、認知症が進んだのかとこちらは不安になるし、自身無口な方なのに、入院二日目ともなれば看護師との会話を楽しみ、面会者の来訪を待ち望むようになる――。だって皆、ホモサピエンスだから。

現在、保育施設や小児科病院、介護施設では、利用者の増加、ニーズの多様化、職員の不足などの課題を抱えている。その中で、日常の生活機能である「参加」や「コミュニケーション」 に働きかけ、生活の活性化を促進する新たな方法として、コミュニケーションロボの活用が注目されているという。三菱総研DCSと日本サード・パーティ(JTP)は、この分野において今月から、国内の複数施設で共同実証実験を始める。

DCS独自のクラウド型対話AIエンジン「Hitomean」(適用例)と、ソフトバンクロボティクスのヒト型ロボット「NAO」を活用した、子どもやお年寄りを対象にしたコミュニケーションロボ・サービスの提供に向けて行う。実証実験では、自然対話をきっかけとして遊びやリハビリ、学習への参加をうながし、これらの活動に対する利用者のより前向きな気持ちを引き出す。利用者の不安や孤独感を和らげる新しいUX(ユーザー体験)を提供するという。

同サービスを「第71回九州精神神経学会」(1月31日~2月1日開催)にて展示発表する。DCSとJTPは、この展示において「Hitomean」と「NAO」を活用した対話サービスを様々な人に実体験してもらう考えだ。