KDDI、船舶向け新衛星通信サービスを提供開始 地球全域で快適な通信サービスを実現

KDDIは、2019年2月から海運業界をはじめとする船舶向けに、地球全域でクリアな音声や快適なデータ通信が可能な衛星通信サービス「Certus350」の提供を開始する。Certus350は、Iridium Communications(イリジウム)が提供する、衛星通信サービス「イリジウムCertus」(以下、Certus)を基にしている。


イリジウムの従来サービスは最大通信速度134kbpsまでの対応だったが、Certusは、サービス開始当初は最大352kbpsに対応し、さらに、2019年夏には704kbpsにアップグレードする。KDDIによると、今後1.4Mbpsにまで対応可能となる予定だという。


Certusは地球全域をカバーする低軌道周回衛星のため、静止衛星では提供が難しい北極海航路を進む船舶や航空機、南極大陸の基地設備においても、より快適なデータ通信サービスの提供を可能にする。また、地上上空3.6万キロメートルにある静止衛星に比べて、地上から衛星までの距離が780キロメートルと近いため、音声やデータの送受信にかかる遅延時間が短いという特徴がある。

さらに、高品質音声コーデックの採用によりセルラー電話並みのクリアで安定した通話品質となり、最大3チャンネルでの同時通話が可能。加えて、周回衛星のため衛星を追尾する必要がないことから、通信アンテナに駆動部の取り付けは不要で、衛星追尾型よりも小型・軽量で故障が少なく、より低コストで利用可能になる。イリジウムは2018年5月に(国際海事機関(IMO)から事業者としてGMDSSの承認を受け、Certusは2020年以降GMDSSの正式適用を受ける予定。

Certus350は船舶向けにサービス提供を開始し、今後、陸上、航空機向けにも段階的に提供予定だ。提供プランは料金に含まれる無料データ量に応じて0MB、50MB、100MB、250MB、1GB、5GB、10GBの7プランを用意した。