IoTを活用して広範囲の積雪量の見える化、会津若松市で実証実験

ビッグローブ(BIGLOBE)とMomoは、無人積雪量測位と除排雪車の運行管理をIoT(モノのインターネット)で連携させた統合的除排雪システムの2019年8月の販売を目指し協業を開始した。会津若松市の実証実験で広範囲の積雪量の見える化と除排雪車の運行管理システム連携を検証する。


Momoは無人積雪測位が可能なIoT対応の積雪センサーを開発し、2018年12月から会津若松市で実証実験を実施している。BIGLOBEのIoTデバイス「BL-02」を活用することでセンシングしたデータをクラウドに送信している。これにより、広範囲のエリアにおけるタイムリーな積雪情報や、特定エリアの詳細な積雪状況など降雪量の見える化を実現している。また、BL-02は2019年1月から地方自治体における除排雪車の運行管理端末として実証用に提供しており、除排雪車の動きの可視化を可能にしている。

道路工事や電源の引き込みなど大掛かりな工事が不要で、容易に設置ができる積雪センサー「IoT積雪センシングシステム」をMomoが開発。これまで人が測定していた積雪情報をレーザーで自動計測できる。また、MomoのIoTプラットフォーム「パレットIoT」と連携させることで、BL-02からクラウドに送られた積雪情報を自動的に可視化する。

会津若松市では、市内4カ所における積雪データのリアルタイム計測を検証。除排雪車配備のため、市内4カ所の積雪確認に自治体職員が3時間かかっていた作業が、リアルタイムで把握可能になった。また、LPWAを使った積雪センサーを組み合わせることで、特定エリアの詳細な積雪情報の計測も検証する。

また、BL-02を除排雪車のエンジンと連動させることで、運転手の負荷を軽減しながらリアルタイムの自動トラッキングを実現。除排雪車の効率的な運行管理や、複数自治体での重複申請といった不正防止など除雪事業に関する課題解決の可能性を検証する。雪捨て場での渋滞状況監視など、非効率な除雪作業の課題を洗い出す。

会津若松市の無人積雪測位データと除排雪車の運行管理システムを連携させることで、構想中の統合的除排雪システムの実効性を検証する。

さらに、両社の技術とノウハウを組み合わせて提供予定の「統合的除排雪システム」は、降雪データの自動収集から、除排雪車の運行状況管理に加え、雪捨て場の積雪状況や付近の渋滞までをセンサーにより見える化するものだ。

これまでは、人手による積雪状況の確認や、住民からの要望による除排雪車を出動させるなど効率的な除雪対応が困難で、雪捨て場での渋滞の慢性化も課題だった。このシステムでは、主要ポイントの積雪情報をタイムリーに把握することで除排雪車の適切な配備と運行管理、排雪作業のスピード向上までの一貫した課題解決を目指すという。