観光先進国をめざす。日本政府は平成28年に新たな観光ビジョンを策定し、「'20年までに訪日客4,000万人」という目標を打ち出した。現在、その数は3,000万人を超えていて、観光や食などのニーズが多様化し、充実したプランニングが求められている。
観光ビジョン達成のためには、訪日客を多数迎え入れるためのインフラや人材、コンテンツ、サービスの整備が急務となっている。東京、大阪、京都などへ集中している訪日外国人について、より日本全国に幅広く来てもらうためには、地方の歴史や文化の魅力を発信して認知を広げていくことが必要だという。
富士通、富士通研究所、EXestは、訪日旅行客向けに、人工知能(AI)により客の潜在ニーズを捉えてツアー等のアクティビティプランを提案し、その有効性を検証する実証実験を1月30日~3月31日に行う。今回、通訳案内士によるアクティビティプランと訪日客をマッチングするプラットフォーム「WOW U」にて、個人の属性と好みから適切なアイテムをレコメンドするAI技術を活用する。
年齢層や旅の目的などから各人に適した豊富なプランを提案することで、客を全国の様々な観光地に誘うとともに、その満足度を検証するという。EXestは「WOW U」のPV数や滞在時間、購入率の向上について評価。富士通研究所は事前に外国人へのインタビューとアンケート結果から旅行者の属性と好みの関係を表す数理モデルを作成し、マッチングAI技術を構築した。同モデルの妥当性検証のために、AIにより推定された利用者の好みと実際のニーズとの一致度を分析する仕組みを「WOW U」に実装した。
富士通は上記AI技術を基に、最適プランを薦めるAPIを開発し「WOW U」へ提供する。実証結果により、研究所とともに技術の精度を高め、「Zinraiプラットフォームサービス」の一機能として多様なシーンでの適用を検討していく構えだ。