昨今、世界のものづくり現場・業界では、電子機器の受託生産を行うEMS(エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス)や、生産設備を持たず製品の企画・設計開発等のみを行うファブレス企業が存在感を増している。
そして安曇野でEMS事業を展開しているVAIOが今月16日、同事業で培ってきた知見やパートナーシップを基盤にして、効率的なコミュニケーションロボ開発を実現する「ロボット汎用プラットフォーム」を構築し、これをワンストップ・ソリューションとして提供すると発表した。ロボット開発と運用のために必要なハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービス、サポートなどすべてを1つのプラットフォームで提供するのは国内初の取り組みだという。
同社はPC事業における製品企画からアフターサービス、上流から下流に至る充実の機能・設備を活かして、顧客ニーズに合せたサービス、EMS事業を'15年より展開――。特にコミュニケーションロボでは、国内で稀な量産技術保有企業として認知され、スタートアップから大企業まで引き合いも増加している。'18年にはEMS事業の第2フェーズとして、優秀な技術やソリューションを有する企業との、「VAIOテクニカルパートナープログラム」を開始。
満を持して今回、「ロボット汎用プラットフォーム」を構築した。同社曰く、日常生活の多彩なシーンでコミュニケーションロボの普及が進みつつある現在、ロボット開発は1社で完結できず、環境構築に時間が掛かり、高額な開発コストと販売価格の一因になっている。その解決策が、同プラットフォームだと――。用意されたハードウェアだけでも、多機能用の「Middle」と、開発効率を重視する「Simple」の2種類がある。
「第3回ロボデックス」で披露するSimpleは、テクニカルパートナーであるHOYAの最新ML(機械学習)型音声合成エンジンが採用されているという。