金融とIT（情報技術）を融合させてビジネス速度や価値、利便性などを高めるしくみ「フィンテック」が熱い。いま日本では、'25年までにキャッシュレス決済比率を40％へ引き上げるべく様々な取り組みが行われていて、ずばり、銀行が存在感を増している。
銀行機能を細分化し、外部連携を可能とするAPI（アプリケーションプログラミングインターフェース）の公開を進めている、GMOあおぞらネット銀行は1月15日、「API開発者ポータル」サイトを公開した。同サイトは法人向けサービスの一つであり、各種オープンAPIの仕様や開発テスト環境、利用者登録、API利用のための審査窓口機能などを備えていて、法人顧客が銀行APIを自社サービス等に組み込んで利用したりユーザーに提供したり、顧客ビジネスに貢献する。
さらにキャッシュレス化を支援する、そのための銀行APIを無償で順次提供していく予定だという。同行は、顧客の口座残高や入出金明細といった参照系APIの公開を同日に行い、口座の振込や振替といった更新系APIについては今年4月に公開する構えであり、接続を希望する法人顧客向けに、所要の銀行APIとのビジネスマッチングを図れる「パブリックアクセス」と「プライベートアクセス」の2種類を準備している。
パブリックアクセスは電子決済等代行業者としてAPIを利用するケース――たとえば会計システムや家計簿アプリ等を提供する事業者向けであり、プライベートアクセスは、顧客自身の口座にAPIアクセスを行う場合に利用――たとえば、多数の入金が発生するサービスを運営している事業者が、「振込入金口座API」と「入出金API」を利用してシステム構築することで、取引先への請求処理や入金照合を自動化することが可能になる。
API開発ポータルおよび銀行APIの利用企業として、freee、マネーツリー、マネーフォワードが既に決定しているとのことだ。