LINEでは、LINEおよびLINE関連サービスを活用することで、店頭オペレーションの軽減や店頭POPの削減、キャンペーン参加の促進、購買行動の把握といった店頭販促における課題を解決することを目的に、店頭販促に特化したソリューションであるLINE Sales Promotionを提供している。
今回の実証実験で展開されるキャンペーンでは、2018年3月よりLINEアプリ内に設置されたLINEウォレットを活用することで、月間利用者数7800万人を超えるLINEユーザーであれば誰でも参加することが可能。ユーザーは、LINE公式アカウントや、「LINE Beacon」によりローソン店頭で告知されるキャンペーン画面からキャンペーンにエントリーでき、エントリー後に福岡市内のローソン各店舗にて対象商品とLINEウォレットのマイカードを提示することで、もれなく商品の値引きを受けることができる。
LINEウォレットを利用した店頭キャンペーン、およびLINE Beaconを利用したキャンペーン告知は今回が初の試みとなる。また、LINEウォレットの月間利用者数は2018年12月末時点で5600万人を突破しており、キャッシュレス・ウォレットレスの足がかりとなっていると同社は説明する。
従来の小売店舗における店頭キャンペーンでは、シリアルコードやレシートを活用した応募、また自社アプリのダウンロードなどを前提としており、ユーザーや小売り、メーカーともにコストや手間などが課題となっていた。LINEでは、日本全国で広く利用されるLINEをプラットフォームにすることで、より手軽に購買データを取得できるキャンペーンの実施が可能になるという。
また、今回の実証実験は、経済産業省により作成された標準購買履歴データフォーマット*を活用しキャンペーン参加データを集積することで、生活者、メーカー、小売店、プラットフォーマーそれぞれの視点から購買データ活用の価値を測り、今後の小売り・流通業におけるデータ利活用施策の検討、全国展開に向けた課題の洗い出しを行うことも目的にしている。経済産業省では、ビジョンとして掲げる「Connected Industries」の実現に向け、小売り・流通業のデータ連携およびデータフォーマットの標準化を推進しており、実証実験においても購買データの標準フォーマットに関するアドバイザーとして参画している。
今回の実証実験で得られた福岡市内のローソン各店舗におけるキャンペーン参加者の購買データは、経済産業省の標準フォーマットに従い集積され、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、サントリーフーズ、日本コカ・コーラといった本キャンペーンの参加メーカー各社にレポート形式で共有される。これにより、各社が店頭購買における購買データ取得・活用の可能性を検討できる仕組みの構築をサポートして行く計画だ。