ドコモ5Gオープンラボ OKINAWAにMECを活用した顔認証デモシステムを提供、NEC

日本電気(NEC)は、NTTドコモが2019年1月9日に沖縄県内に開設した常設5G技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ OKINAWA」に、次世代通信インフラのアーキテクチャ「MEC(Multi-access Edge Computing)」を活用した顔認証デモシステムを提供した。


ドコモ5Gオープンラボ OKINAWAは、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参画する企業・団体向けに、5G基地局装置などを無償で利用できる技術検証環境を提供することで、5Gを活用した新たな利用シーンを創出し、沖縄県における産業振興や各種社会課題の解決を目指すもの。NECは、同ラボへ4.5GHz帯の周波数を用いた5G基地局装置を提供している。

今回提供するデモシステムは、モバイルネットワーク下においても、5GとMECを活用することで瞬時の顔認証を実現するもの。これにより、イベント会場など一時的に顔認証システムを導入する場合においても、回線工事などを実施することなく、容易に設置できるようになるという。

また、動的なネットワーク帯域幅の割り当ても実現。検知カメラが人の動きを検知すると、最適なネットワーク帯域幅が確保され、顔認証に使用する映像が高精細なものに変化する。一方で、平常時はネットワーク帯域幅の消費を最小限に抑え、ネットワークへの負荷を低減する。

デモシステムでは、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」、サービスの状態に応じてネットワークの動的な最適化を行う「Context-aware Service Controller」、カメラ映像からリアルタイム侵入・物の置き去りなどを高精度かつ自動で検知する「高度映像解析 行動検知ソリューション」をより端末に近い位置に設置するMECサーバに搭載し、さらに仮想化モバイルコア「vEPC(virtualized Evolved Packet Core)」も活用する。

NECは、デモシステムの提供実績も活かし、MECをはじめとした5G時代のコアネットワークの実現およびドコモ5Gオープンパートナープログラムのさらなる発展に向け、国内モバイルコアネットワークのトップベンダとして今後も各種ソリューションを提供していく計画。

なお、今回の発表では、総務省の委託研究「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発~」プロジェクトの成果の一部が含まれている。