羽田空港国際線ターミナル駅、ホームの5Gにて利用客に安全安心を

「2020年、訪日外国人旅行者を4,000万人に」と謳う日本では、それが現実味を帯びてきた。一方で、自然災害に見舞われた際に、訪日客へのケアと情報発信が不十分であったという課題も見えてきた。


情報はわれわれ日本人にも重要である。日常および非日常的なサービス向上と、移動時間・手段を含めた観光全体の満足度は、至るところで得られる情報の質と速さに依存している。そこで、2時間の映画が3秒で送れるほどの高速・大容量、低遅延、多端末同時接続といった特長を備えた次世代移動通信システム(5G)の活用は必須だろう。

1月10日、ATRKDDIパナソニック早稲田大学京浜急行電鉄は、増加する訪日客により多くの利用が見込まれる国際空港の駅ホームにて、更なる安心安全や旅行客の利便性向上を目指し、5Gを活用した応用実証に国内で初めて成功したことを公表した。総務省の技術試験事務における「5G」総合実証試験として、今回サムスン電子の"5G エンドツーエンドソリューション"を用いて行ったという。

実証試験は昨年11月21日~12月21日、京急電鉄の羽田空港国際線ターミナル駅上り地下ホームに28GHz帯の実験エリアを構築し、5Gタブレットを使用して次のような実証を実施した。

・ 駅ホームの固定カメラと駅ホームを見回りするロボットに搭載した4Kカメラの映像を、5Gを通じてモニタやVRゴーグルへ送信
・ 5Gで送信した4K映像をサーバにて収集・分析し、2K映像では発見できなかった刃物の検知や、不審者に対する見回りロボットの駆けつけ
・ 5Gタブレットを用いた同時翻訳や、4K画質による観光案内映像の配信

既存のモバイル通信で実現困難だった大容量データの伝送が可能となる。この度の仕組みによって、高精細映像を即座に伝送・収集・分析し、早期に危険を検知、観光客への情報提供など、駅の安全・安心および利便性アップが望めるという。