産業および社会のデジタル変革が加速している。昨今、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)技術の発達とともに、映像の重要度が増している。生産・物流ライン、社会インフラ、先進運転支援システム/自動運転、ドローン、スマートホームなどでデジタルの眼は必須になりつつある。
そこで英Armは今月3日(現地時間)、さまざまなインテリジェントデバイス向けに、より鮮明な像を映すデジタルアイを実現する最新のイメージシグナルプロセッサ(ISP)テクノロジーを発表した。マルチメディア対応の新たなISPとなる「Mali-C52」および「Mali-C32」は、このクラスをリードするイメージ品質、完全なるソフトウェアパッケージ、補正及び調整ツールのフルセットを備えている。
ドローン、スマートホーム・アシスタンス及びセキュリティ、IPカメラといった日常的に使うデバイスの、幅広いレンジでより高画質を実現する。そして新たなアプリケーションは、今日までに20億台以上のデバイスで実証されたArm Iridixテクノロジーのユニークな能力によって、強みを発揮することとなる。「デジタルアイ」は、人間の五感のうち最も発達かつ豊かな感覚で視る環境をよりリアルにデジタル処理するため、そして1兆個のデバイスをつなぐためにもチャレンジだという。
同社は、IoTデバイスにおいて視覚機能の組込み需要は全体の中でも最高位にあると推定していて、次のような見積りを提示している。
・セキュリティ(監視)及びIPカメラ市場は年率20%で成長し、'21年の出荷台数は5億を上回る
・パーソナルロボット:毎年75%の驚異的な成長率を示し、'21年出荷数は200万に達するだろう
・スマートホーム市場は毎年14%成長して'21年に8,800万戸になり、ドローン、AR/MR機器、アクションカメラなどのデバイスは新興市場から普及ステージへと移る