トヨタのフェローが、自動運転技術「Toyota Guardian」に関するコメントを発表

Toyota Research Institute(TRI)は、自動運転(高度安全運転支援)技術「Toyota Guardian」に関するコメントを発表した。また、2019年1月に開催されたCESにおいて、カリフォルニア州の高速道路で実際に発生した実験車の事故をビデオと3Dアニメーションで再現した。


約3年前の設立当初、TRIは自動運転技術の開発を二つのアプローチで行うことを表明した。あらゆる環境で完全に、もしくは限られた運行設計領域(operational design domain:ODD)において、人間のドライバーを不要にする「ショーファー」。もう一つは、人間の能力を置き換えるのではなく増大させるという考え方で開発しているToyota Guardianだ。


Toyota Guardianは、人間のドライバーか、トヨタもしくは他社の自動運転システムによっても操作が可能な高度安全運転支援システムの一つとして開発中の技術。TRIによると、人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるという考え方で開発。戦闘機のコントロール技術にヒントを得た、人間と機械双方の入力による調和的制御を可能にするという。人間のドライバーが常にクルマをコントロールする前提で、事故が起こりそう、もしくは実際に差し迫っている際に、Toyota Guardianがドライバーによる操作と協調させながら正確な回避に繋げる。

トヨタはToyota GuardianをMaaS(Mobility as a Service)向けに開発しているe-Paletteに標準装備として組み込むことを計画している。これにより、MaaSのユーザーはどのような自動運転システムを使っても、Toyota Guardianを一種のフェイルセーフ、すなわちショーファー型自動運転システムの冗長システムとして使うことができるという。

CESでは、カリフォルニア州の高速道路で実際に発生した実験車の事故をビデオと3Dアニメーションで再現した。TRIのCEOで、トヨタのフェローでもあるギル・プラット氏は、「自動運転のもっとも重要なメリットは、クルマの操作を自動化するということではなく、ヒトの安全と、自由なモビリティを支えるということなのです」とプレスカンファレンスで説明した。