北海道岩見沢市とシスコ、ICT活用によるスマートシティプロジェクトを開始

北海道岩見沢市、シスコシステムズ(以下、シスコ)は、岩見沢市のICT活用による「市民生活の向上」と「地域活性化」を目指したスマートシティプロジェクトの開始に向けた協業を展開していくことを発表した。新たなコミュニケーション基盤を活用した安心・安全な街づくりを目指す。


岩見沢市は、市民の新たなコミュニケーション基盤に「Cisco Webex Teams」を活用することで、さらなる市民サービスの向上、教育現場での活用、産業間でのナレッジシェアをはじめ、福祉サービスや安心・安全な街づくりを推進していく。

これらの取り組みは、岩見沢市が、ICTを用いた地方創生の一環として行うもの。シスコは、Cisco Webexシリーズの提供、新しい産業創生にむけたネットワークを利用したスマートシティのノウハウの提供などを目指す。

北海道岩見沢市は、水稲を中心とした農業、そこから派生する食料品製造業を主な地域産業としている。その一方で高度ICT環境を背景とした企業進出・雇用創出にも注力している。また、その気候や田園風景に欧州の雰囲気が感じられることから、ワイナリーなどの観光資源を有し、全国の自治体初の「健康経営都市宣言」認定のもと、「ひともまちも元気で健康」をテーマとした各種取り組みも進めている。

今回、岩見沢市とシスコは、社会実装プランの第一弾として、教育、医療・福祉、産業の分野からICTを活用した街づくりの協業を開始する。

教育分野では環境による教育格差解消を目指す。ICT活用に先進的な学校では、これまで以上に速いスピードで革新が進んでいる。教育の現場では、遠隔授業など距離を超えた学術活動、人口減少地域の学校間接続、グローバルなコミュニケーション(海外交流授業)など、学生の学習意欲を促進し、新しい学習方法を可能にする様々なソリューションが求められている。

岩見沢市立緑陵高等学校は、教育者と学習者が安全なコラボレーション空間でつながり、授業を行ったり、コミュニティを作ることを目的にシスコが2018年に立ち上げた「デジタル スクール ネットワーク」プログラムに参加。教室の壁を越えて、学生間交流や、教員同士のコミュニティなどを通して、無限に広がる学びを目指している。また、簡単で質の高いコラボレーションは、教職員の「働き方改革」、日常のコミュニケーションのために発生する移動コストやロスタイムの削減などにも寄与するという。

医療・福祉の分野では健康で幸福が実感できる街づくりを目指す。医療の現場では、電子カルテの導入にはじまり、従事者同士のコミュニケーション、患者の容体のモニタリングや退院後の患者への支援など施設を越えた情報連携の取り組みが急務となっている。近年ではビデオ会議システムを利用し、日常的に市民の健康状態をチェックし、患者が来院せずとも診療を受けられる「遠隔診療」がさらに加速しつつある。岩見沢市では、Cisco Webex Teamsを市の施設(市役所、市立総合病院)などに実装し、遠隔手話の提供等を促進し、市民サービスの向上も目指す。

さらに、地域産業の活性化にも取り組む。産学官の連携で、観光、農業・食など地域に応じた産業の活性化が注目されている。岩見沢市は、全国に誇る水稲を中心とした農業、そこから派生する食料品製造業を中核に地域産業の活性化を目指し、農業従事者同士の情報交換、また、後継者育成の一環としてe-Learningを通じた勉強会などを開催する予定。

また岩見沢市とシスコは、防災交通インフラの整備、魅力あるふるさとを目指した観光分野への展開も検討していく。