情報通信
水道IoT、京都の山間部でスマートメーターとLoRaWANを検証
IoT(モノのインターネット)技術の展開、さまざまな産業や社会インフラ分野などへの普及が進むに連れて、そのしくみの省電力性能や効率性、通信範囲などがクローズアップされるようになってきた。これらの能力は、膨大な数のデバイス等によるIoTのさらなる本格活用に欠かせない。
そこで国際標準の規格化を進めるLoRa Allianceは、低消費電力かつ広域無線通信網を実現するLPWA方式のひとつ「LoRaWAN」を提示。この新技術・プロトコルに準拠したネットワークサーバの提供や、日本国内におけるパートナープログラムの展開を行っているNECは、12月18日、京都市上下水道局による「IoTを活用した水道スマートメーターの試験的導入と電波状況確認試験」に参画し、LoRaWANの実効性を検証すると発表した。
来年5月までの実施を予定している。同局とNECの共同研究では、京都市左京区の山間地域の一部(久多、広河原、花脊、別所および百井地域)に試験的に導入される水道スマートメーターを用いて、計測した使用水量データをLoRa通信で遠隔地に自動送信する。これにより、現地に出向くことなく検針ができる。業務の効率化とともに、取得データの活用により「使用水量の見える化」等の顧客サービス向上、漏水の早期発見などが可能になるという。
NECは広河原および百井地域において、LoRaWANの伝搬状況(水道局に仮設した無線基地局までの通信状況)の確認を、無積雪期と積雪期に行う。また、電池のみで長期間のデータ送信が求められるLoRaWANデバイスの電池消費量も確認する。これらにより、より実環境に即したLoRaWANの実効性を裏付け、将来の本格導入に向けて効果や課題の検証も行う。
社会ソリューション事業に注力している同社は、今後もLoRaWANの利用を促進。IoTを活用した安全安心、効率、公平な社会の実現に貢献していくという。