電力IoT、家電利用データとAIにて介護サービスへ

IT(情報技術)の浸透が人々の暮らしを多面的により良い方向へ変えるという、「デジタル変革」が注目されている今、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」と人工知能(AI)の活用が各種産業や社会インフラ、医療・ヘルスケアなど様々な分野に広がりつつある。


日本では内閣府の「平成29年版高齢社会白書」に現状と将来像――'25年には5人に1人が認知症と診断され、彼彼女の生活を支える介護職員(働き手)が不足し、家族の負担が増えるだろう少子高齢化社会の姿が示されているという。東電PGEGウェルモの3社は12月18日、IoT技術を活用し、認知症と診断された人の見守りサービス、ケアプラン作成をAIアシスタントで補助するサービスの事業化に向けた実証試験を開始する。

家電製品別に見た電気の使用状況の変化をリアルタイムに検知するため、分電盤周辺に専用の電力センサ配置などをする。東電PGとEGは現在、電気の使用状況等、宅内の情報データを収集・蓄積・分析・加工できるIoTサービスプラットフォームを事業者へ提供し、医療・介護やエネルギーマネジメント等、生活の利便性を高める多様なサービスの創出、およびその普及に取り組んでいる。

またウェルモは、AIの自然言語処理によりケアマネジャーを知識や調査の面から補助する「ケアプランアシスタント(CPA)」を開発している――。3社は今回、これらのIoT技術とAIを活用することで、様々な課題の解決を目指す。実証試験では、上記IoTサービスプラットフォームを用いて宅内情報(生活リズム等)を推定、CPAとの連携により、ケアプランの作成補助や要介護者等の異常行動における通知サービス等の有効性を検証する。

この度の取り組みによって得られた知見を活かし、2020年度には高齢者介護に関わる全ての人の課題解決につながるサービス(例、在宅ケア、介護予防サービス等)を共同展開していく計画だ。