AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術がもて囃される近ごろ、デジタル変革を推進するそれらIT(情報技術)があらゆる分野で十分に活用されているわけではない。今もベテラン従業員の働きにすっかり依存している業務領域は、まだ相当残っている。
電力・ガス・水道、通信、鉄道などの社会インフラを担う事業者は多数の設備資産を運営していて、設備機械や装置を製造販売する多くの企業はそれらの保守サービスも行っている。設備の保守及び保全業務は現在、特定の熟練者の勘や経験に頼っている部分が多くあり、労働人口の変化や設備老朽化が進む中、業務品質維持が困難になることが予想され、将来に向けた品質の維持が課題となっている。
また、近年発展してきたAI技術を異常点検や予兆検知へ適用する動きは、加速している一方で、それらのアプリケーション間でのデータ連携や統合は進んでおらず、個別最適化が促進されてしまう懸念がある。ゆえに、新たなテクノロジーを活用した設備保全業務の高度化や省力化の進展とノウハウ継承に期待が高まっているという。
NTTデータは、設備保全・保守業務を高度化するサービス群を業務プロセスや業務課題に合わせて最適化する「デジタルメンテナンスソリューション」の提供を17日に開始。同ソリューションは、従来AI活用シーンの軸であった予兆検知や異常診断だけでなく、保全計画の立案や保守実行までの業務プロセス全体を横断的にフォーカスしている。
高度な分析モデルを実装したアプリ、多種大量なデータを統合・連携するためのIoTプラットフォーム、ICT(情報通信技術)に精通した業務最適化コンサルティング提供などで構成されている。今回のソリューションでは、保全業務を取り巻くデータを統合的に活用し、設備保全業務の高度化を実現するとともに、設備機械製品の保全革新による新たなビジネスモデル収益の確立が可能になるという。