電通は、AIでビッグデータを解析することにより流行キーワードを予測するシステム「TREND SENSOR(β版)」を開発した。クリエーティブのプランニング領域での活用を進め、ビジネス開発への応用を目指す。
ネット上には情報が溢れ、あらゆるブームがやってきては消えていく昨今、流行の兆しをより早く捕らえ、有効にマーケティングに活用していくことが求められている。一方で、膨大な情報の中から人手で流行の兆しを見つけることには限界があるため、AIを活用してビッグデータを分析する今回のシステム開発に至った、と同社は説明する。
システムの特徴は、SNSの情報とマスメディアの情報を掛け合わせることで新たな流行の兆しを発見する「クロス流行伝播モデル」だ。昨今、SNSが流行伝播に重要な役割を果たしており、流行の発信源が必ずしもマスメディアではなくなってきている中で、2つの情報を掛け合わせることで、新たな流行伝播の様相が浮かび上がってきた。
TREND SENSORは、これらの分析を基に、電通がAI開発に強みを持つ子会社のデータアーティストと共同で開発したAIが、アニメやグルメ、ビジネスなど10個のカテゴリーでデモグラフィック別の流行キーワードを予測することに取り組んでいる。
今後電通は、まずはクリエーティブのプランニング領域において、アイデア開発を科学的に支援するツールとしての活用を進めつつ、流行予測を活用したキャラクターコンテンツの開発やファッションなどのビジネス開発への応用を目指す。研究・開発を進め、新たな流行の創出、需要の喚起・創造といった役割を強化していく考え。