昨今日本の様々な組織では働き方改革や生産性向上が言われる。それらは主にIT(情報技術)の活用、ロボティクスやAI(人工知能)の導入をベースにしていて、業務の効率化やコスト削減、労働力不足を補うなど、既存の課題をデジタル技術で解決するためのしくみ作りでもある。
企業における課題解決では、これまでのデジタル技術を革新することも求められる。たとえば、金融機関においては顧客が記入した用紙など紙の書類を多く取り扱っていて、OCR(光学式文字認識/リーダー)の精度が低いために、書類を読み込んだあとで人手によるデータ修正が必要になるなど、業務の自動化や効率化が十分に実現できない――。そこで、AI inside社と業務提携しているアイティフォーは12月10日、AI-OCRソリューション「DX Suite」の提供を開始した。
AI inside社製の同ソリューションは、画像認識したデータをテキスト化する際にAIを活用して高い読み取り精度を実現。共通エンジン「Neural-X」が150社以上のユーザー企業における修正データを学習して進化することが特長だという。アイティファーのサンプル調査では、その読み取り精度が手書き文字でも文字単位で90%以上であった。従来型OCRで不可能だった文字間のつなぎ目や切れ目も判別し、読み込んだ情報をその場で確認、修正もできるとのこと。
そして今回、アイティフォーは金融機関向けに同社の個人ローン業務支援システム「SCOPE」とDX Suiteとの連携を先行させた。これによりSCOPEは、不動産会社からのFAX用紙や、店頭で記入された申込用紙ともOCR自動連携でき、行員らの手入力で生じる各種課題を解決できる。今後はこの連携をRPA業務自動化ツールや自治体向けシステム等でも進めていき、官公庁や公共機関など、対象業種を拡大しながら顧客の業務効率化を支援していく構えだ。