丸紅とZMP、自動走行運転サービスの事業化を目指し合弁会社を設立
世界の航空旅客需要は堅調に推移しており、国内においても訪日外国人旅客数、いわゆる「インバウンド」は増え続け、日本政府は2020年までに年間4000万人達成を目標としている。一方、インバウンド増加による航空発着便数の拡大と生産年齢の人口減少に伴い、空港での航空機離着陸時に必要な地上支援業務の労働力不足が深刻な課題となっている。
丸紅とZMPは労働力不足という課題の解決に向け、丸紅の空港グランドハンドリング事業、航空分野におけるノウハウとZMPの自動運転技術の開発力と実績を掛け合わせるべく、このたび合弁会社であるAIROの立ち上げに至った。
丸紅は、2006 年にスイスポートジャパンを設立し、空港グランドハンドリング事業に参入。現在、成田・羽田・中部・関西・福岡の国内主要空港にて事業を展開して、空港内ビジネスのノウハウ・知見を蓄積してきた。その他、従来の航空機・エンジン販売や整備支援などの代理店ビジネスに加え、エンジン開発投資や航空機・エンジンリース、部品売買、宇宙ビジネスなどへも進出。堅調な旅客需要の成長が見込まれる航空分野の事業拡大
に取り組んでいる。
ZMPは、ロボット技術をベースに自動運転開発プラットフォーム「RoboCar」シリーズや自動運転の統合コンピューター「IZAC」などを中心に開発してきたベンチャーで、それらを自動運転車両管理システムなどと合わせて「自動運転プラットフォーム」として提供している。
さらに2014年に公道における実証実験を開始し、2018年8月には日の丸交通と大手町~六本木間で世界初となる自動タクシーの営業運行を行うなど、都心部を中心に自動運転車両の走行試験を継続的に実施している。また、日本初の宅配ロボット「CarriRo Deli」の開発や実証実験を推進。日本における自律移動技術開発の先駆者として「デモは卒業、商業化へ」をテーマに自律移動技術の実用化に取り組んでいる。
また、国土交通省では、空港における労働力不足に対応するため、2018年6月に「空港制限区域内の自動走行に係る実証実験」を公募し、2018年9月に丸紅とZMPは実証実験実施者に選定された。AIROの事業活動の一環として、空港制限区域内における乗客・乗員の輸送を想定した実証実験を成田国際空港および中部国際空港にて実施する予定。