西日本電信電話(NTT西日本)とエヌ・ティ・ティ マーケティングアクト、名古屋市は、市民と行政をつなぐ自治体コールセンター「名古屋おしえてダイヤル」において、新たな問い合わせ受付チャネルとなるチャットボットの提供と、問い合わせ電話の音声データとAI(人工知能)を活用し、FAQを自動生成する実証実験を行う。
名古屋市のコールセンターは、市政に関するお問い合わせをコールセンターにてワンストップで回答するサービスを行ってきた。これまでの対応で蓄積されたFAQは1000件を超え充実を図ってきている。しかし、市民のニーズが多様化する昨今において、市民が真に求めているFAQの維持・管理や運営に課題が出てきたという。
一方、NTT西日本グループであるNTTマーケティングアクトは西日本エリアを中心に41拠点のコールセンターを構え、センター合計では1日平均約35万件(年間約1億件)のコールに対応する運営ノウハウを有している。名古屋おしえてダイヤルのコールセンター業務も受託運用を実施してきた。
今回、コールセンターにおける課題解決を目指す名古屋市と日々コールセンターの業務改善・運用に取り組んでいるNTT西日本グループが協力し、コールセンターの高度化を目的とする実証実験を行うことにした。
まず、市民の問合せに24時間365日対応可能なチャットボットを試験的に導入し、受容性を検証する。また、自治体業務運営データを活用した国内初の取り組みとして、名古屋おしえてダイヤルの音声を自動でテキスト化し、そのデータからFAQを自動で生成し、その効果を検証する。このFAQは実際の住民からのお問い合わせ内容に基づき作成するため、より市民のニーズに合ったものになることが期待できるとNTT西日本では説明する。
今回の実証実験では、NTT西日本は独自で開発中のFAQ自動生成AIと生成したFAQを提供し、精度を検証。NTTマーケティングアクトは、音声データのテキスト化の調整とFAQ自動生成におけるコールセンター業務への適応を検証する。名古屋市は、検証環境を提供し、生成したFAQの名古屋おしえてダイヤルに対する有効性を検討する。