デジタル変革の時代を迎え、機械工学と電子工学を融合したメカトロノクスなども一層進化し始めている。産業用ロボットやヒト型のコミュニケーション路ロボ、スマート家電、電動自動車(EV・HV)はその最たるもので、モータ制御技術なしにはいずれも語れない。
近年、モータと駆動部品の性能向上により、産業機器や民生家電に限らず、動く・回るあらゆるアプリケーションにモータが搭載されるようになった。そしてアプリの多様化・高機能化が進み、モータの生産台数は世界で年間100億台にものぼる一方、評価が複雑になり、開発期間の短縮が大きな課題になっているという。
ロームは、複写機やプリンタの用紙搬送部、セキュリティカメラの回転駆動部などに搭載されるステッピングモータ(パルス信号で回転角度・速度を制御する)アプリに対して、評価を容易にするモータドライバLSI評価ツール「RAGU®シリーズ」を開発。11月30日に同シリーズ第1弾として、メインボード「RAGU-main1-EVK-001」、オプションボード「RAGU-op1-EVK-001」と、ステッピングモータドライバDUTボードBD63725BEFV-EVK-002」のネット販売を開始した。
「RAGU®シリーズ」は、工数のかかるモータとモータドライバLSIの動作評価を簡単にするために開発された評価ツールで、メインボード、オプションボード、モータドライバLSIを搭載する各種DUTボード(評価ボード)、PC上で制御するためのアプリケーションソフトで構成される。従来、その評価に複数の電源装置、オシロスコープ、ファンクションジェネレータなど多くの計測機器が必要だったのに対し、RAGUを使えばPCと1つの電源だけで、評価の難しいシーケンス評価や温度評価まで、すばやく簡単に実施可能になり、モータとモータドライバLSIを採用するモータアプリ開発の劇的な効率化が叶うという。