健康寿命延伸につながるリハビリ・運動データ管理のプラットフォームを提供

TISは、ベンチャー企業への投資を行う「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」から、VR/AR技術を用いたヘルスケアソリューションを提供するスタートアップ企業のsilvereyeに出資したことを発表した。


厚生労働省の報告によれば、日本における回復期リハビリテーションの月当たりの診療報酬額は10年で4.8倍、全国のリハビリテーション専用病棟の病床数は10年で5.7倍に急増している。

一方で、リハビリテーションは発症から2カ月の対応が最も重要であるにも関わらず過剰なリハビリ抑制のため回復期リハビリテーションにあてられる時間には上限が設けられており、拡大する需要に対応するために効率のよいリハビリテーションプログラムが求められている。

TISでは、ヘルスケア領域のビジネスにおいて需要が拡大すると予想されるリハビリテーションに焦点を充てた事業の創出を目指しており、「RehaVR」を中心としたVR技術とユーザーが取り組みやすいコンテンツを保有するsilvereye社への出資を決定した。

silvereyeは、VRコンテンツプラットフォームの提供など、法人向けVR/AR開発案件の受託やサービス展開を行っている2017年2月設立のスタートアップ企業。

青葉学園が運営する東京医療保健大学 医療情報学科の今泉一哉教授との共同研究で開発した同社の「RehaVR」は、一体型VRヘッドセットと小型フィットネスバイクを使い、ヘッドセットに投影されるVRコンテンツにバイクのペダルが連動してトレーニングを行えるソリューション。TISによると、RehaVRの楽しみながら継続的にトレーニングができる特長を活かし、回復期リハビリテーション施設やリハビリ型デイケア施設、フィットネスジムなどで実証実験が進められている。

TISでは、製薬業界向けのITソリューションである「Medical Drive」を医療医薬業界に展開し、将来的には医療医薬の枠を超えたヘルスケア領域のニーズを先取りしたソリューションやサービスの創出を目指している。その中で構築を目指しているのが医療・健康の情報を一元管理し健康寿命延伸につながるITサービスを提供する「健康情報プラットフォーム」だ。

silvereyeが展開しているRehaVRで蓄積される個人の健康状態・リハビリデータはPHR(Personal Health Record:生涯型電子カルテ)として利活用できTISの構想する健康情報プラットフォームの実現に向けて重要な第一歩となり得ることから、今回のCVC出資に至ったという。