AIを活用したOCRサービスで業務改善、NECが発表

日本電気(NEC)は、紙面の文字情報を読み取るOCR(Optical Character Reader)にAIを活用した「NEC AI-OCRサービス」を2019年3月から提供開始すると発表した。帳票定義不要で文字入力作業を大幅に効率化する。


現在、働き方改革の流れを受けRPA(Robotic Process Automation)が普及し始めており、主にバックオフィスなどで扱われる様々な種類の帳票上の文字情報を電子化したいというニーズが高まっている。しかし、従来型のOCRでは、新規の帳票を読み取る場合や、読み取る帳票の種類を変更する場合、事前に読み取り設定を都度作成・変更する必要があり、扱う帳票の種類が多い場合は発生する作業負荷が課題となっていた。

NEC AI-OCRサービスは、AIを活用したNEC独自の「インタラクティブ学習方式」により、従来通り帳票データを文字入力するだけで、読み取り位置や項目などの帳票書式をリアルタイムに機械学習。帳票内の文字データを自動で読み取ることができる。帳票の読み取り設定が不要となるため、取り扱う帳票書式が多くOCRを導入できていない企業や、OCRを導入済みでも帳票書式設定作業に不満がある企業で、効果的な活用が期待できる。

また、学習した帳票書式データはシステム全体で共有可能なため、複数作業者による効率的な作業も可能。NECがこのサービスで伝票処理業務の効果検証を行ったところ、人が全てデータ入力した場合と比べて、帳票入力作業時間を75%効率化したという。サービスの正式な提供開始に先立ち、一定期間利用可能な試験環境を2018年12月から提供予定。

NECは、約50年間に及ぶ郵便区分機の開発で培ったレイアウト解析や文字認識の技術と最新のAI技術を活用することで、バックオフィスの工数を軽減し、人的資源の適正配置による企業の働き方改革の実現に貢献していくと説明する。

NEC AI-OCRサービスの提供価格は、年間480万円となっている。