近年、マネーローンダリングとテロ資金供与対策に関する取り組みは、急速に整備が進められている。日本でもFATFによる第4次対日審査に備え、各金融機関の取り組みが注目されている。また、金融業界では「FinTech」技術を活用した仮想通貨に対する取り組みが推進されている中、仮想通貨交換所においてもマネーローンダリングとテロ資金供与対策が急務となっている。
これらの市場ニーズに応えるため、DTSは、法定通貨と仮想通貨の口座開設・利用に対して、AIを活用した高度なKYC(顧客確認)により厳格な顧客管理を実現し、過去の取引や各金融機関に蓄積された独自ルールに基づいて顧客単位で、疑わしい取引を検出できるAMLionを開発した。
AMLionでは、口座開設時の新規顧客、既存顧客、実質的支配者(法人の経営決定権を持つ個人)のリスク評価を実行できる。AIを活用して最新ニュースからネガティブ情報を自動的に抽出し、制裁者情報、反社会的勢力やPEPs(重要な公的地位を有する監視対象者)等のウォッチリストとの照合により評価。アルファベットだけでなく、旧漢字を含む漢字のファジーマッチングが可能だ。
また、過去の取引傾向から逸脱した取引を、顧客単位や近似属性(職業、年齢、企業規模、業種などが似ているグループ)ごとにAIで判別し、日常的に行われる大量の取引から疑わしい取引を検出。さらに、各金融機関に蓄積された独自検出ルールを、柔軟に登録・カスタマイズできる。アラート調査・承認を行うワークフロー機能や、当局向け報告書の基となるレポート作成機能を搭載し、アンチマネーローンダリング(AML)規制の遵守を支援する。加えて、SWIFTメッセージタイプごとに設定したフィルタリングにより、効率的に「疑わしい国際送金取引」をブロックする。