AIを活用、布やゼリーなど柔らかい商品を3D認識。検索も

昨今、人を含むあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の展開が加速している。それは人工知能(AI)などとともに、産業および社会インフラ、人々の生活のなかに浸透していき、さまざまなプラスの変化を生む。デジタル転換の時代はもう足下まで来ている。


その具現化では、身の回りのモノを人間のように認識・検索する技術の確立が不可欠。だが、ゼリーやポテトチップスといった軟包装製品、布製品等の不定形物体は、各種変形パターンにより見え方が大きく異なる。デジタル画像の認識精度を保つには、変形画像の参照データベースへの登録を要し、変形具合が多様な場合、多数の画像を準備するためのコスト負担が大になる。

従来の課題を解決する、NTTは、変形物体を少数の画像のみでも高精度に認識・検索する「変形対応アングルフリー物体検索技術」を開発した。これにより、定形3D物体に加えて、軟包装製品、布製品など不定形商品も含めて幅広く認識可能になる。新技術は、NTTのAI技術corevo®の一つであり、どんな方向から撮影しても被写体を検索して関連情報を提示する「アングルフリー物体検索技術」を基に実現したという。

今回、幾何学的拘束を複数の部分領域ごとに適用することで、画像特徴の対応関係から正しい対応を正確に特定する「変形対応幾何検証技術」を開発。入力画像と参照画像間の画像特徴による対応付け結果から、複数の対応関係間の距離・回転角度等の幾何学的特徴を使ってクラスタリングすることにより、物体が変形していても正しい対応を特定可能にしている。

「変形対応アングルフリー物体検索技術」はNTT R&Dフォーラム'18(秋)にて紹介。同技術の活用によって、スマホやカメラで商品を高精度に認識でき、仕分け業務や在庫管理を効率化する「商品管理」、レジ打ち業務の省力化を実現する「商品認識」、多言語に対応した「商品情報提示」などへの展開が可能になる。