駅の業務を自動化、まずは自律走行型の警備ロボットにて

少子高齢化時代をゆく。日本では生産年齢人口の減少が各方面で深刻になりつつある。内閣府によると、わが国の同人口減少率は国際的にみても大きく、たとえ労働参加が進展しても、2030年までに就業者数は減少する見込みだ。



鉄道業界でも人手不足の課題が顕在化。一方で駅利用客のニーズは多様化していて、より安心・安全・快適で利用しやすい駅の提供が求められているという。オムロン傘下で社会システム事業を担うOSS社は、ロボットによる駅業務のオートメーション化に向けた取り組みの第1弾として、東京都の「都営地下鉄施設内における案内・警備ロボット実証実験」に参画し、12月より大江戸線大門駅にて警備ロボットの実証試験を開始する。

同社は、1967年に世界初の無人駅システムを実現して以来、鉄道業界において自動改札機、券売機、精算機などの駅務機器システムや遠隔監視サービス、安全システムなど駅運営に携わるシステムを提供し、運用サポートを行っている。50年の歴史で培った駅業務のオートメーション技術と遠隔監視技術、運営ノウハウに加え、オムロングループが持つ「センシング&コントロール+Think」のコア技術を活かし、駅業務の省力化や、利用客の多様なニーズを充足する。「未来の駅」実現への第一歩となる。

東京都では「2020年に向けた実行プラン」にて3つのシティの実現をめざしている。そこで行う今回の実証実験では、警備ロボットが大門駅の施設内を自律的に走行し、巡回しながら内蔵したカメラの映像を施設内のモニターに表示し施設内の状態を遠隔監視する。

巡回中、ロボットに搭載した大画面のモニターを用いて駅の利用客への案内なども行う。そして、多くの人が行き交う駅環境におけるロボット活用の実用性を検証する同社は、利用客へのアンケートを通じて駅や商業施設など、社会の様々な場面におけるロボット活用の課題も検証していく構えだ。