あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術と、画像認識や推論に長けたAI(人工知能)技術は、日本がめざす「超スマート社会(Society5.0)」の実現でも重要な役割を果たす。けれどいずれの技術も、使いこなすには高度な専門知識を要する。
産業界において、製品やシステムの提供企業は突発的な故障に備えて、一定量の保守部品在庫を抱えている。一方、その在庫が過剰になると保管や廃棄のために大きなコストが発生する。また近年、IoT技術の発展により、工場設備や社会インフラなどの「モノ」の状態は、把握・予測・最適化が可能になりつつあるものの、そこで作業している人の行動については、ほぼ把握手段のないのが現状だという。
東芝デジタルソリューションズは21日、東芝アナリティクスAI「SATLYS™」の高度な分析を多くの顧客へ提供するため、同社の知見を集積・標準化し、目的ごとに特化させたAI分析サービス「SATLYSKATA™」を商品化していくと発表。空手や茶道などでの「型」にならい命名したという。新サービスの第一弾として、「SATLYSKATA™ 保守部品在庫最適化」と「SATLYSKATA™ 作業行動推定」のクラウド提供を開始した。
「SATLYSKATA™ 保守部品在庫最適化」は、故障履歴から適切な調達数を予測し部品在庫を最適化する。また、「SATLYSKATA™ 作業行動推定」は、ウェアラブルデバイスにより作業行動を見える化する。いずれも指定データを入力するだけで、「SATLYSKATA™」がAI分析を行い、結果が出力される。AIの専門知識をもたない人でも簡単に利用できるクラウド分析サービスだという。
同社は今後も「SATLYS™」の技術レベルの向上と適用分野の拡大を進め、「SATLYSKATA™」のラインナップも拡充していき、顧客の課題解決とデジタル変革の加速に貢献していく考えだ。