iPSなどの培養細胞、画像解析をディープラーニング技術で高精度に

さまざまな細胞に分化する万能性を有する、iPS細胞やES細胞が注目されている。近年、研究機器や医療機器の進歩に伴い、医療および新薬の開発技術は著しい発展を遂げていて、今後はそれら多能性幹細胞を活用した創薬研究・再生医療の普及が期待されている。


がしかし、そこでは各種細胞の開発やその後の大量培養が不可欠となるため、細胞にダメージを与えることがなく、内部環境の恒常性を乱す恐れもない非侵襲での品質管理において、より正確で高精度な細胞画像認識を実現することが課題の一つになっているという。SCREENホールディングスは、深層学習(ディープラーニング)によって細胞特徴量の差異を判定する細胞画像解析ソフトウエアを開発した。

幹細胞やオルガノイド(試験管内で作られた3次元的臓器)の画像解析に貢献する。同ソフトウエアを細胞形態解析イメージングシステムに搭載し、今月から販売する。生物顕微鏡に迫る撮像性能を達成した独自の光学系のコア技術を駆使し、幅広い細胞研究に対応する「Cell3iMager duos」において、iPS細胞やヒト幹細胞から培養された分化細胞の正確な認識を現実化した。

「Cell3iMager duos」の画像入力部は、細胞培養プレート全面の画像データを高速かつクリアに取得できるため、撮像範囲と時間のロスを大幅に削減。大規模な画像データとディープラーニング技術による解析を基にした、再現性の高い細胞評価、品質管理が可能となる――。同ソフトウエアの搭載によって、培養条件の最適化、非侵襲での形態特徴量の定量や分化細胞の良否分析など、さまざまな解析を実現するという。

同社は、今回のディープラーニング細胞解析ソフトウエアの開発により、需要の拡大が見込まれる細胞イメージング分野におけるビジネス拡大を図るとともに、多様化する同分野のさらなる発展に貢献していく構えだ。