サイゼリヤ、AIを活用して売上金額をリアルタイムに予測

サイゼリヤとNTTドコモ(ドコモ)は、サイゼリヤの店舗オペレーションの効率化を目指す実証実験を2019年3月末まで実施することを発表した。リアルタイム売上予測技術の有効性を検証し、店舗オペレーションの改善を図り、より快適な空間を提供することを目指す。

実証実験では、ドコモのモバイル空間統計のリアルタイム版である「近未来人数予測」(以下、人口統計データ)とサイゼリヤが保有するサイゼリヤ店舗ごとの売上実績データなどを基に、ドコモがこれまでに社内外のサービス高度化や課題解決で培ったAI(人工知能)に関する経験・ノウハウを用いて開発した売上金額を予測する「リアルタイム売上予測技術」を活用する。

リアルタイム売上予測技術は、各店舗周辺の人口統計データや気象データなどと売上との関係性をAIで分析し、現在から数時間後、翌日、数週間後の店舗ごとの売上金額の予測をそれぞれ行う。1時間ごとの売上金額として予測結果を出力。特に数時間後の直近売上予測においては、直前の店舗周辺の人口統計データを活用するため、天候やイベント開催などによる突発的な需要変動についても的確に予測できるという。

実証実験では、予測結果を基にした翌日や数週間後の店舗従業員のシフト管理への活用、1時間ごとの直近売上予測の店舗タブレットへの配信だけでなく、直近売上予測値が数週間前に予測された値より一定以上ずれた場合に店舗に配備したタブレットから通知音を鳴動させる。来店客の急増を店舗従業員に通知して事前準備を促し、顧客の待ち時間や機会損失の低減、サービス品質の向上、従業員の負担軽減などの店舗オペレーションの改善を目指す。

実証実験に先立ち、サイゼリヤの都内6店舗の売上実績とサイゼリヤ従来手法による売上予測の誤差、売上実績とリアルタイム売上予測技術による売上予測の誤差を比較した。店舗周辺のイベントや天候などにより売上が平常時よりも伸びた時間帯の予測においてリアルタイム売上予測技術の方が、誤差が25%小さい結果となったという。