東洋大学、学校で不足するPC専用教室をクラウドサービスで補完

ユニアデックスは、2018年10月に東洋大学へ「クラウド型仮想デスクトップサービス」の提供を開始したことを発表した。東洋大学の白山キャンパスでは、1400台程の教育用PCを配備しており、FAT-PC、ネットブート、VDI(仮想デスクトップ環境)で運用管理している。


国内では、18歳人口の減少により「大学全入時代」を迎える中、各大学は新学部開設や新棟建設、キャンパス統廃合など目まぐるしく変化する環境にある。また、教育の情報化、業務の効率化が求められ、IT部門への期待は高まっており、その役割の明確化も課題となっている。

東洋大学では、PCを使った授業の増加やPC自習利用の増加などにより、PC利用環境整備が課題となっていた。しかし、短絡的なシステム拡充は、運用負荷の増加を招き、システム管理を行うIT人材の確保が必要になるなど別な課題につながる。そこで、クラウド型仮想デスクトップサービスを利用することで、従来は学内のIT管理者や常駐員が行っていたITインフラの維持管理から解放され、多様化、高度化した学内ITニーズへの対応に業務をシフトすることを図った。

これまでキャンパス内に構築していたサーバ機器などのシステム環境は、ユニアデックスが学内よりも耐震性とセキュリティーレベルが高い堅牢なデータセンター環境上に新たに構築した。クラウド上に200台分の仮想デスクトップを構築し、アクセスできる環境を整備した。

また、キャンパス内にはシンクライアント環境のみを設置して学内ネットワーク経由でデータセンターにある仮想デスクトップ環境を利用する。システム稼働状況の監視やシステム維持・管理、学生に提供するOSイメージの作成や配信などの手間がかかっていた運用作業をユニアデックスが代行。管理者の運用負荷の軽減を図っている。

東洋大学 情報システム部 部長である青山 敦史氏によると、稼働から3カ月弱になるが、大きなトラブルもなく利用できている。DaaSの活用は東洋大学にとって、今後PC環境整備の足がかりであり、継続した評価を行った上で、その特徴を活かしたPC利用環境整備を進めて行く計画だという。