Real Video Drive Playerは、実写映像内をバーチャルにドライビングできる機能をドライビングシミュレータに搭載し、従来のCG空間と比べて高いリアリティと没入感を得られて、より正確な車両挙動のチューニングと乗り心地・快適性の評価が実施できるソフトウェア。今回は、CG空間の制作と比べてはるかに短期間に目的とする道路映像で評価が実施できる「専用実写映像撮影・加工サービス」も併せて提供する。
一般的なドライビングシミュレータは、シミュレーション空間がCG技術で制作されているために没入感に乏しく、振動装置を備えた台上で実車の挙動を再現した場合でもドライバーは実走行試験と同じ感覚を得られないという課題がある。さらにCGでシミュレーションしたい都市や郊外、高速道路などの空間を制作する場合には、必要なパーツ一つ一つを作る必要があるため、数カ月1年以上の納期がかかり、評価にすぐに取り掛かれないという問題もある。
東陽テクニカ 技術研究所は、岩根研究所が持つ実写映像から連続した3D空間を作り出すCV技術を応用することで、現実の道路を撮影した実写映像内でドライビングシミュレーションができるReal Video Drive Playerを共同開発した。実写映像内をバーチャルドライビングすることで、高い没入感で車両挙動のチューニングや乗り心地評価を行える点が特徴だ。
左右130度以上の広い視野を一度に表示可能。映像内では、アクセルに応じて景色の流れる速度が変化し、ハンドル操作に連動して視野が変化する。ドライバーの操作によって交差点の右左折や車線変更も可能だ。また、一つの映像内で運転席や助手席などを想定した位置に自由に視点変更できるため、幾つもの映像データを撮影することなく様々な座席位置あるいは車種を想定した試験を実施できる。
また、専用実写映像撮影・加工サービスは、Real Video Drive Playerで再生できる専用の映像データを提供する。専用の車載撮影機材で顧客の求める地域の道路撮影を行い、CV技術を用いて映像加工。撮影は時速40キロメートル程度で行うため、数十キロメートル以上の長距離でも一日で終えることが可能。さらに映像の加工も撮影後数日程度で完了する。