スパコン「京」がGraph500で8期連続で第1位を獲得

理化学研究所(理研)、九州大学、東京工業大学、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通、フィックスターズによる国際共同研究グループは、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングであるGraph500において、スーパーコンピュータ「京(けい)」による解析結果で、8期連続で第1位を獲得したと発表した。


近年活発に行われるようになってきた実社会における複雑な現象の分析では、多くの場合、分析対象は大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、それに対するコンピュータによる高速な解析(グラフ解析)が必要とされている。

Graph500の測定に使われたのは、京が持つ8万8128台のノードの内の8万2944台。約1兆個の頂点を持ち16兆個の枝から成るプロブレムスケールの大規模グラフに対する幅優先探索問題を0.45秒で解くことに成功した。

ベンチマークのスコアは、38,621GTEPS(ギガテップス)。Graph500 第 1 位獲得は、京が科学技術計算でよく使われる規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い能力を有していることを実証したものだといえる。研究グループでは、幅広い分野のアプリケーションに対応できる京の汎用性の高さを示すものだと説明する。また、高いハードウェアの性能を最大限に活用できる研究チームの高度なソフトウェア技術を示すものとしている。

大規模グラフ解析においては、アルゴリズムおよびプログラムの開発・実装によって性能が飛躍的に向上する可能性を示している。今後もさらなる性能向上を目指す。また、実社会の課題解決および科学分野の基盤技術へ貢献すべく、スーパーコンピュータ上で様々な大規模グラフ解析アルゴリズム、プログラムの研究開発を進める。