情報通信
トイレのIoT、常に清潔・安全安心に向けてサービス実証
トイレは顔であり、管理者の本性でもある。個人宅や店、工場やオフィスでもトイレの清潔度が本体の印象を左右する。たとえば海外旅行者らは造作を含めたそれによって、その国の民度や経済力、文化ないし治安を、自国のトイレ事情と比べて推し量る。
施設を清潔に保つには労力がいる。それが公共スペースのトイレともなれば多大になるし、プライバシーへの配慮、利用状況および安全面での確認等も求められる。そこで、統合ファシリティ管理(IFM)事業を展開するイオンディライトの100%出資会社ADベトナムと、ソフトバンクテレコムベトナムは、個室トイレの利用状況を可視化できる「トイレIoTサービス」の実証実験を、イオンモールBinh Tan(ホーチミン市)にて9月から行っている。
トイレ清掃の業務効率化と安全対策の向上をめざす。今回のサービスは、個室トイレの扉に設置した開閉センサーにより、空室状況や利用時間・回数等を専用管理画面から確認できるシステムであり、この度の実証実験では、個室トイレの利用状況に応じて清掃計画などの再検討を行い、業務を効率化――。さらに、長時間利用している客への声がけを行い、緊急時の早期対応を図る。トイレ内の専用タブレットで「トイレの清潔度に関するアンケート」(6段階評価)を実施し、顧客満足度を検証するという。
ベトナムにおいてファシリティマネジメント事業の関連ライセンス20種以上を保有する、ADベトナムでは、テクノロジーの活用による施設管理業務の効率化に取り組んでいる。また、ソフトバンクテレコムベトナムは、同国内のオフィスや工場などのIT(情報技術)インフラからIoTやAI(人工知能)、ロボットなど最先端技術を含めた、幅広い法人向けソリューションを提供している。
両社は今後、来店客向けに個室トイレの空き状況を通知する機能などの開発検討を進め、さらなる顧客満足度の向上に取り組んでいく構えだ。