より負荷の少ない歩行を可能にするリハビリ向け歩行練習デバイス

ソフトバンクグループでロボット・ソフトウエア事業を行うアスラテックは、藤倉化成が開発したリハビリテーション向けの歩行練習デバイス「RoboChemia(EAM Knee)(ロボケミア・イーエーエム ニー)」に、ロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」を提供したことを発表した。


RoboChemiaは長下肢装具の膝継手に装着するデバイスで、ブレーキ装置により膝関節の回転を制御する機能を備えている。長下肢装具はリハビリテーションで歩行練習などをするときに、脚部に取り付けて使われる器具。従来の一般的な長下肢装具は、膝関節を完全に固定した状態で使用されるため、利用者は膝を曲げることができずに不自然な歩行になるといった課題があった。

アスラテックによると、RoboChemiaを使うことで、長下肢装具の膝が固定された状態と膝が自由に屈伸できる状態を、理学療法士が手元のハンドスイッチで切り替えることができるようになり、リハビリテーションにおいて代償動作が少ない歩行練習を実施できるという。

今回、RoboChemiaの膝関節部分のブレーキを制御するソフトウエアとして「V-Sido」が採用され、アスラテックは二足歩行ロボットの制御技術を応用した歩行制御のアルゴリズムを基に、ブレーキ制御に関わるプログラムや基板の開発で協力した。

このブレーキ機構は、どの位置からでも伸展方向に自由に動き、屈曲方向のみブレーキ制御を行う仕組みとなっている。そのため歩行練習において、間違って屈曲位で接地した場合でもいち早く伸展位に移行する動きが可能だ。また、立ち座り練習においても、屈曲方向のブレーキ力を調整することで安全な立ち上がり動作や腰掛け動作をサポートするなど、安全性に優れた設計になっていると同社は説明する。