川口市立高等学校、知識構成型ジグソー法によるアクティブ・ラーニングを導入

川口市立高等学校と富士通は、東京大学CoREFの知識構成型ジグソー法と富士通の空間UI技術を活用したアクティブ・ラーニングの授業デザインを開発し、2018年10月より全国の高等学校で初めて空間UI技術を融合した知識構成型ジグソー法によるアクティブ・ラーニング授業を開始した。1年生の理数系科目を対象に開始し、順次対象を拡大していく予定。


アクティブ・ラーニングでは、生徒が仮想の机上空間で課題や考えを共有・議論することが可能で、思考プロセスも含めて可視化・蓄積することで、主体的かつ対話型の深い学びを支援する。

また同校は、授業や自宅での学習履歴や課題学習などの習得状況を蓄積・可視化する「FUJITSU 文教ソリューション Unified-One 学修支援 CoursePower(コースパワー)」(以下、CoursePower)を導入し、アクティブ・ラーニングの効果を高めることで、生徒の学びをより強力に支援し、教育の質向上を目指す。

川口市内の3高等学校を統合した川口市立高等学校は、新しい学びとテクノロジーを融合した先進的な教育を提供するため、富士通製タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q508/SE」約400台、無線LAN、アクティブ・ラーニングルームなど最新のICT環境を整備し2018年4月に開校した。

また、教育現場では、生徒が自らの考えを積極的に発信するアクティブ・ラーニングへのICT活用や、授業中の生徒の発言や発表資料などを記録・蓄積し、それらの学習履歴をもとに学びの質を向上させる様々な施策を検討してきた。

同校では、知識構成型ジグソー法によるアクティブ・ラーニングを授業に取り入れている。今回、このアクティブ・ラーニングの効果をさらに高めるため、富士通と共同で空間UI技術を融合した独自の授業デザインを東京大学CoREFの協力のもと開発。全国の高等学校で初となる空間UI技術を融合した知識構成型ジグソー法によるアクティブ・ラーニングの授業を開始した。

事前学習では、教員が生徒に、共通の課題を富士通製タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q508/SE」上で提示。生徒は課題に対する回答をタブレット上のワークシートに各自まとめる。グループ活動では、生徒はグループごとに特定の観点に関する資料を読み込み、メンバーと議論することで知見を深める。また、生徒は各自タブレット内のワークシートや画像などのデータを空間UI上に展開しグループのメンバーに共有。異なる観点の知見を深めたメンバーでグループを再編成し、課題に関する議論をさらに深めていく。

さらに、グループ活動で議論した内容を空間UI上で発表資料としてまとめ、グループごとに発表する。事後学習では、他グループの発表を聞いた上で、生徒は再度課題に対する回答を各自タブレット上でワークシートにまとめ、CoursePowerの授業フォルダーに格納し提出する。グループ活動中のアウトプットの変遷を含め、デジタルに生徒一人ひとりの学習プロセスを蓄積できるため、教員は生徒の学びをより広く深く、きめ細かく支援できるという仕組みだ。