我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されている。今後20年間で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みであり、一斉に老朽化するインフラの戦略的な維持管理・更新が求められている。
国交省がインフラメンテナンス情報ポータルでそのように論じ現状を開示している。ほかにも、企業が維持管理している発電所、送電鉄塔、大型プラントなどがあり、これらも老朽化施設の割合が年々増加している。一方で、少子高齢化等による保守点検要員の不足などが課題となり、効率的なメンテナンス、効果的な管理手法が求められているという。
ソフトバンクは、産業や生活の基盤として整備された施設の老朽化対策として新サービスを開発。「ドローンによる社会インフラ保全サービス」(イメージ動画@YouTube)を来春から提供開始すると発表した。サービス開発にあたり同社は、北米を中心にドローンによる携帯電話基地局点検ソリューションの開発、運営事業を行う5×5 Technologies社に対して約400万ドルを出資し、5×5が持つ技術の日本国内での独占使用権と販売権を取得したという。
5×5は、ドローンによって撮影した画像と高精度位置情報をひも付けて、実測値との誤差がわずか数ミリメートルの高精度の3Dモデルを生成する独自の技術(米国特許出願中)を有していて、ソフトバンクはこの技術をベースに、センシングデータ解析AI(人工知能)の組み合わせで、さびや亀裂、ボルトの緩みや欠落、内部欠陥等を自動検知し、点検業務をさらに効率化する。日本市場のニーズに合わせたサービス化を5×5と進めていく。
さらに高精度3Dモデルを活用したシミュレーションによる災害発生時の被害予測や、予防保全の実現など、社会インフラの長期的・戦略的なメンテナンス計画の策定を支援するサービスの提供を目指すという。