東京から名古屋のコネクテッドカーを遠隔操作した

昨今、世界中でつながる車(コネクテッドカー)および自動運転技術の開発競争が繰り広げられている。日本では'20年にSAEレベル3、'25年にSAEレベル4自動運転車両の市場化をめざし、法改正を含めて、その受け入れ準備が進められている。


新たなモビリティ社会システムの方向性、基本戦略や高度自動運転車両の定義等については、「官民ITS構想・ロードマップ2017」(官邸WebサイトPDF)にて確認でき、この将来構想を具現化するために行う実証実験と自動運転の開発に向けて、「遠隔型自動運転システム」に関する新制度(国交省PDF)や基準等(警察庁Web)も公開されている。

ICT(情報通信技術)セキュリティと人の安全性を担保する施策や技術を用いて車両を走行させる領域で、ドライバーが遠隔から安全に運転操作できるしくみの開発を進めているソリトンは、インターネットITS協議会の定期イベントにおいて、 東京の会場からリモート操作により名古屋地区(私有地)の自動車を実用スピードで遠隔運転するデモンストレーションを実施したことを今月6日公表した。

デモンストレーションシステムでは、Glass to Glass(車載カメラレンズと映像モニター間。レイテンシを除く)での遅延時間を最小40ミリ秒台にするソリトン開発の超短遅延技術を適用。運転視界内の死角を除去する画像処理、自動車の揺れの伝達などの諸方式を組み込み、実用的な自動車走行スピードで安全なリモート運転操作が可能であることを実証した。

遠隔運転は自動運転とのコラボにより、ドライバー不足への対処、運転代行業への適用、さらにMaaS(サービス型移動手段)への展開などが想定されているという。ソリトンは、これらの動向を踏まえ、自動運転技術と組み合わせたAI(人工知能)技術の活用をも考慮して、遠隔運転システムの一層の安全性と効率化を目指し、開発を推進していく構えだ。