GPSとプライベートIoTネットで駅伝走者を把握

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術の産業および社会への展開が進んでいる。近年、地域活性化の取り組みの一つとして、駅伝・マラソン大会や自転車レースなどのスポーツイベントが活発に開催されている。


なかで、選手の位置情報を即座に可視化することにより、「遠隔でも特定選手を応援できる」とか「競技に戦略性を生む」など、スポーツの新しい楽しみが方が拡がっている。一方で、高頻度かつ的確な位置情報の把握を要する駅伝やマラソン等、自走競技の公式大会へのIoT導入では、装着デバイスが重い等の携行面、ネットワークやシステム構築等のコスト面が課題になっているという。

NTT西日本は、ICT(情報通信技術)を活用し、省電力かつ高頻度で位置情報を把握するためのプライベートLoRa®網と、選手が携行しても支障がないレベルで小型・軽量化したデバイスを活用した走者位置情報把握技術を開発。宮崎県中学校体育連盟の協力のもと、その技術検証を行う。

プライベートLoRa®による無線ネットワークは、LTEに比べて省電力、かつ端末毎の回線契約が不要なため低コストで導入が可能であり、LTE/3G等無線通信が届かないエリアであっても、中継機・親機を設置することで利用シーンや大会規模に合わせた柔軟な構成ができるという。そしてこのネットワークとGPSを掛け合わせた小型端末は、タスキに入れても支障が無いサイズ(縦横約50mm、幅約13mm)で、 重量は約23g。

上記端末を携えて走る選手の位置情報データがネットワーク経由で地図表示サーバーへ送信される。チーム関係者や応援者は、選手のリアルタイムな位置を地図上で自身のスマホやタブレット、PCのWebブラウザーで閲覧し、ネット環境さえあれば、いつ、どこにいても応援できるという。技術検証は今月11日、「第69回男子・第31回女子 宮崎県中学校駅伝競走大会」にて実施される。