自動車に続け!国産バイオジェット燃料で'20年、初の有償飛行へ

クリーンなグリーンエネルギー、と聞いて太陽光や風力を思い浮かべる。日本では、微細藻類ミドリムシ(学名:ユーグレナ)を燃料とする研究も知られている。


「パリ協定」下、'30年までに温室効果ガス排出量の26%削減('13年比)をめざす。日本も加盟中の国際民間航空機関では、'20年以降CO2排出量を増やさない合意がなされ、世界の主要国ではバイオジェット燃料の導入が進んでいる。一方、日本のそれは遅れていて、同燃料による有償飛行は未実現。自動車用についても、米国やEU各国の二桁目標に対して、日本では化石由来に替わるバイオ燃料の導入目標(~'22年)が年間数%程度だという。

ユーグレナ社は、京浜臨海部にて日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを10月31日に竣工し、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、ANAホールディングス、ひろ自連の協力のもと、国連SDGs (持続可能な開発目標) のGOAL13:気候変動対策に貢献する取り組みとして、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す「GREEN OIL JAPAN」を新たに宣言した。

実証プラントは来春より本格稼働し、ミドリムシや廃食油を主原料としたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造を開始(予定)。ここで製造する国産バイオジェット燃料での有償飛行を、'20年までに実現するほか、来夏からは次世代バイオディーゼル燃料の供給を始める。

いすゞ自動車と4年以上取り組んでいるバイオディーゼル実用化研究の一環で、実証プラントと同様の原料・精製方法により製造した次世代バイオディーゼル燃料を用いた性能試験にて、エンジンに変更は加えずに含有率100%で使用可能だと確認した。結果を受けて、いすゞ自動車では今年12月より、同燃料を含有した揮発油を用いて、いすゞ自動車藤沢工場と湘南台駅間シャトルバスの定期運行による実証を開始する。