ウェアラブル端末による活動データと疾病の因果関係の解析

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は、健康経営の高度化を目的として、東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)自分で守る健康社会拠点カラダ予想図プロジェクトチーム(以下、東大COI)が行う生活習慣改善の研究に参画することを発表した。東大COIは、文部科学省と科学技術振興機構が主導する産学連携プログラム。


損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険では、顧客が健康になることを応援する「健康応援企業」への変革を目指している。そのためには従業員一人ひとりの健康が不可欠であり、健康経営の一環として2016年4月からFitbit製ウェアラブル端末を約3,000人の従業員に配布している。

東大COIの研究は、ウェアラブル端末とアプリ「カラダ予想図」を活用した健康サポートプログラムの検証を目的の一つとしている。既にウェアラブル端末を導入・健康経営を実践している当社と親和性が高いと考え、今回の研究に参画することにしたと同社は説明する。

カラダ予想図は、東大COIが開発した医療の専門家が将来の健康をサポートするプログラム。個人ごとの現在・未来の健康リスクを可視化することで、自分の問題として認識させ、行動変容を促す。また、AI(人工知能)などのIT技術により個人の生活習慣や嗜好に基づいたアドバイスを行い、将来の疾病発症リスクの減少を図る。さらに、健康関連データに基づく集団分析により、健康経営の実現を目指す。

具体的には、従業員ウェアラブル端末から収集した活動データおよび健康診断データを東大COIに提供する。東大COIは、このデータの集団解析、リスク解析を行い、その解析結果に基づいて、健康経営に対してレポートを通じてアドバイスを行う。

また、特定保健指導対象者やそれに準ずる疾病ハイリスク群にあたる従業員に対し、ウェアラブル端末とカラダ予想図を通じて健康指導を実施。この健康指導は、アルゴリズムを活用して個人の状態に則した指導を行うことで、メタボリックシンドロームが引き起こす将来の疾病リスクの改善や医療関連費削減を目指す。