見積回答を事前にAIで精査、迅速化・効率化を促進

東芝デジタルソリューションズは、戦略調達ソリューション「Meister SRM」の調達分析機能の新たなオプション機能として、「調達AIオプション」の販売を2018年11月より開始する。人が確認していた見積回答を事前にAIで精査することで、迅速化・効率化を促進する。


同社が2008年に販売を開始したMeister SRMは、主に製造業の調達・購買部門向けに国内30社以上の導入実績を持ち、東芝グループ各社でも採用されている戦略調達ソリューション。サプライヤーとの接点プロセス全体をカバーするコミュニケーション基盤として、調達部材のコスト構造の把握によるコスト低減や、BCM(事業継続マネジメント)/BCP(事業継続計画)3管理による調達リスク低減など戦略的な調達業務の実現を支えている。

さらに調達分析機能は、調達部材のコスト情報、サプライヤーの財務情報や販売状況など様々な視点での調査データ、サプライチェーンデータなど戦略調達に寄与するデータを集約し1つの分析データベースを作成する。ユーザーごとの課題や状況を見える化できるレポーティングツールを備えている。

今回発売を開始する調達AIオプションは、分析データベースのデータをAI(東芝アナリティクスAI「SATLYS」)で分析することで、早期に課題を発見し対策を講じることができるオプション機能。

見積内訳の項目を詳細に設定でき、運用の変化にも柔軟に追従することで分析精度を向上できる。また、見積情報だけでなく、サプライヤー情報全般(調査データやサプライチェーンデータなど)も合わせて分析可能。案件ごとの見積精査だけでなく、調達コストやサプライヤーの分析など戦略調達に活用する機能を提供する。さらに、調達業務に特化したAIモデルのテンプレート化により導入期間を短縮できる。

市況の急激な変化やベテランバイヤのリタイア、一方的な値下げ交渉からコスト精査へと調達環境や業務のあり方が変化していく中で、市況や調達品、経験から導き出すトータル的な見積の精査分析を可能にする。価格査定ノウハウを企業内で共有・継承できる。これまでに取得した見積評価データや市況情報の機械学習により予測値を算出し、その予測値と見積回答金額の差額を可視化することで、コスト査定すべき見積データへの気づきを促す。

第4次産業革命に向けたデジタル変革の波が訪れる中、多くの製造業では、調達領域においても業務変革の必要性に迫られている。企業の戦略調達の取り組みは情報活用局面にシフトしており、部材コストやサプライヤー情報の分析により、市況変化への迅速な対応や価格査定ノウハウの蓄積などに活用することが求められている。同社では、このようなニーズに対応し、見積の精査分析を支援する調達分析のオプション機能を開発したと説明する。