あの頃のチョコの味、AIとのコラボで再現

およそ誰でも昔食べたチョコレートの味と思い出がリンクしている。遠足のバスの中で片思いのあの子にもらった一粒のチョコだったり、仲間内で流行っていたチョコだったり、あっと驚くような出来事を報じたテレビ番組の合間に流れたCMのそれだったり、味覚は記憶を蘇らせるきっかけになる。


1960年1月~2018年8月の日経朝刊1面記事を17万件、その中から、印象的な出来事のあった5つの年をピックアップし、各1年分の新聞記事をAIに分析させたという。NECと、サンフランシスコ発のBean to Barチョコレート専門店のダンデライオン・チョコレートは、AIとチョコレートメーカーのコラボレーションにより、その時代のムードをチョコレートの味わいで再現した「あの頃は CHOCOLATE」を新開発した。

NECのAIによる味覚予測シリーズ企画、名作文学の読後感をコーヒーの味わいで再現した「飲める文庫」に続く第二弾商品となる。「あの頃は CHOCOLATE」は"1969 人類初の月面着陸味"、"1974 オイルショックの混迷味"、"1987 魅惑のバブル絶頂味"、"1991 絶望のバブル崩壊味"、"2017 イノベーションの夜明け味"の5種類で、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストア で予約受付を開始している。

同チョコは、①データサイエンティストが新聞1面の頻出単語(約600語)に対し7つの味覚指標(甘味/苦味/酸味/ナッツ感/フローラル/フルーティ/スパイシー)を付与した学習データを作成、②最先端AI技術群を活用した分析プラットフォームにより、約60年分の新聞用語(約13万8千語)の味を推定。③推定単語味にて分析したその年のムードを表す味覚指標レーダーチャートを60個作成し、印象的な5つの年を選出。④選ばれたレーダーチャートをレシピとして、チョコレートメーカーが5種の限定商品を開発したという。