スマートコントラクトのしくみでチケット業界の課題解決

音楽業界、エンターテインメント業界やスポーツ業界、そして社会において近年、チケットの高額転売や買い占め、詐欺行為などが大問題となっている。このような状況は世界的だという。興行主、チケット販売代理店は、販売済みチケットの流通状況を把握できない――


高額転売や詐欺行為により、顧客からの信用が低下するうえに、市場形成が阻害されている。また、購入希望者は希望するチケット入手ができず、仕方なく通常より高額で購入することがある。様々な課題を抱えているチケット業界向けに、日本情報通信(NI+C)は、改ざんが極めて困難で知財・契約管理にも使われ始めているブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いた「チケット業界向けAPIアセット」を24日より提供開始する。

NI+Cは、オープンソースのブロックチェーンフレームワーク"Hyperledger Fabric"が備えたスマートコントラクトやコンセンサスの仕組み、強固なセキュリティ機能を活かし、様々な顧客業務に対応したAPIアセットを開発・提供していく。取り組みの第1弾として今回、チケットの発行、検索、購入、出品、発券/入場を担う各プロセスと情報を複数のアプリケーションプログラミングインターフェースでつなぐ、「チケット業界向けAPIアセット」により、同業界が抱える問題の早期解決を支援するという。

APIアセットは、ブロックチェーン上でのデータ登録・更新・参照を行う「汎用APIアセット」と、汎用APIアセットをベースに顧客業務に応じたビジネスロジックを追加した「個別APIアセット」にて構成される。しくみ全体のデータ基盤となるHyperledger Fabricは、ソースコード開発元のIBMのほかに、Intel、Red Hat、CISCO、SAP、アクセンチュア、日立製作所、富士通、NEC、NTTデータ等が参加しているコミュニティプロジェクトによるものだ。