世界的にあらゆるモノがネットにつながり始めた近年、日本国内でもIoT市場は拡大を続けていて、特に産業分野では生産性・品質の向上、ベテラン従業員の技術伝承、コスト削減などを実現するうえで、IoTの活用が期待されている。
その一方で、様々なモノをネットにつなぐ「IoT」の導入に向けて何から始めたらよいか分からない組織や、稼働データの収集・蓄積ができていない企業、投資対効果の面で懸念があり導入を見合わせている会社なども多く、簡単かつ低コストでデータを収集・見える化できる仕組みが求められているという。
日立システムズフィールドサービスは、日立グループ内外でのIoT導入支援の実績を基に、IoTのPoC(概念検証)を検討している企業向けに「IoT PoCキット」を今月24日から販売開始。と同時に、工場などの現場でIoTを導入する際の無線ネットワークの設計・構築、そして各種センサやゲートウェイの設置をワンストップで支援する「現場向けIoT導入支援サービス」の販売も始める(関東地区以外は来年1月に開始予定)。
「IoT PoCキット」は、IoT化で重要な収集対象データの選定や投資対効果の確認などを手軽に行えるよう、所要センサとIoTゲートウェイ、クラウド環境をセット価格約10万円で提供する。動作検証済み機器&サービスにより、比較選定・構築の時間を短縮できる。一方、主に組立製造業向けに展開する「現場向けIoT導入支援サービス」では、IoT機材の設置箇所調査や設置工事、アクセスポイントの電波調査や無線環境の設計・施工などを同社エンジニアが代行する。
現場のニーズに合わせたサービスを幅広く提供することにより、安定したデータ収集環境の構築を支援し、生産性向上などに貢献する。同社は今後、IoT技術者育成を積極的に行い、機械制御に利用されるPLCや他のIoTゲートウェイなどへサポート範囲を拡大していく構えだ。