製造業AI、人に代わってライン上で生産品の質を見分ける

少子高齢化などを背景にした様々な課題を抱える日本では今、特に製造業界において、ベテラン従業員の引退による技術継承の途絶や、人手不足が憂慮されている。事業の持続可能性にも関わるこれらの課題が、将来より大きなものになると予測されている。


食品製造業における多くの生産工程では、熟練技術者の目で品質チェックが行われている。現場では、生産物の個数カウントを目視に委ねているため、生産進捗状況を正確に把握し難い。また、事務所勤務の社員らが生産ラインの状況を把握するためには、食品衛生上必要となる洗浄など、各種手続きを経たのち現場で確認作業をしなければならず、多くの時間を要していたという。

NECソリューションイノベータは、10月24日、画像とAI(人工知能)技術を活用して生産状況を可視化する「NEC AI・画像活用見える化サービス / 生産管理・検査支援」を提供開始する。

同サービスは、食品製造業向けに、ネットワークカメラとAI技術を用いた画像分析により、生産ライン上を流れる生産品の個数カウントや、良品/不良品(2級品)等を自動で判定することで、生産進捗状況や不良品の発生状況等の"見える化"を行う。これまで技術者の目に頼っていた生産進捗状況の把握や不良品の検出を自動化することで、生産品質の向上や生産工程の省力化を支援する。

また、AI分析したデータをクラウドで共有――現場以外の場所からでも、生産進捗状況や不良品の発生状況をリアルタイムに把握できる。サービスに要する主な設備は、市販のネットワークカメラとPCのみであり、生産ライン周りの大幅な設備変更は必要ない。手軽に導入でき、容易かつ迅速に状況把握可能となる、今回のしくみは、生産現場の業務効率の改善に寄与するという。

同社は今後も、様々な生産工程のさらなる効率改善、省力化などを支援し、持続可能な生産現場の実現をめざしていく構えだ。