つながるクルマのコクピットを車載用SoCと仮想化ソフトで革新する

自動運転時代が間近に迫っている。世界では今、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の文脈でコネクテッドカーの開発が加速していて、自動ブレーキや自動ステアリングなどADAS(先進運転支援システム)をいっそう進化させるべく、各社が鎬を削っている。


自動車メーカーや自動車関連ベンダーのみならず、IT(情報技術)企業も、コネクテッドカーおよび自動運転車市場で名乗りをあげている。そして今月23日、ルネサスと、カナダBlackBerry社は、車載用システム・オン・チップ「R-Car」向けの、仮想化・機能安全・セキュリティのソフトウェア開発環境を提供開始する。両社がコネクテッドカーに向けた車載情報システム分野で継続的に協業してきた成果だという。

今回の開発環境は、ルネサスのR-Carと、BlackBerry® QNXソフトウェア開発プラットフォーム(SDP 7.0)およびQNX® ハイパーバイザー2.0をベースにしていて、高い信頼性とコクピットに必要なグラフィックス性能を両立する。この環境を採用するユーザは、BlackBerryのマルチメディアやHMIに関する豊富なソフトウェア群を、コクピットのグラフィクス開発に使用でき、顧客体験を向上するコクピットシステムの早期開発が可能となる。

また、同開発環境では、R-Carのハードウェアが持つ仮想化機能を最大限活用している。そのため、機能安全と高度なセキュリティをR-Car上で両立可能であり、クラスタやカーナビ、ディスプレイオーディオなどのシステムをR-Car上で各々独立して動かすことができる。BlackBerry QNXハイパーバイザー2.0上のゲストOSは、Android™、Linux、AUTOSARをはじめとするRTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)に対応可能であり、複数のゲストOSで、ディスプレイを安全に共有することも可能だという。